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202104.06

【Q&A掲載】第1回 社会課題共有フォーラム「FUTUREライフスタイル実現に向けて~地域の魅力づくり」(3/11開催)

2021/3/11開催の第1回社会課題共有フォーラムにご参加いただきました皆様、大変ありがとうございました!

当日のプログラム詳細はこちらをご参照ください。

当日のパネルディスカッションの様子

フォーラム当日は、都市計画が専門の村山東大准教授の基調講演のあと、卓越大学院学生、文化サブスクリプションサービスのベンチャー企業経営者、自治体、過疎地への移住促進に関わる研究者から話題提供がありました。後半のパネルディスカッション「地域の魅力づくり」では、1.生き方、暮らし方、働き方を統合したベストアレンジ、2.全てのステークホルダーの協力の必要性、3.指標とその評価方法、4.情報発信・意見徴収方法、5.環境へのインパクトなどについての課題が共有されました。

今回は、フォーラム当日にお答えできなかった質問やメールでお寄せいただいた質問の中から、可能な範囲で回答させて頂きます。質問の文章について、一部省略させて頂いておりますが、ご了承頂きたくお願い申し上げます。

Q1. 構造に伴って暮らし方も含めた提案をされる方針ですね?

A1. そうですね。都市の構造やまちのつくりは暮らしを規定する一方、暮らしの実態やビジョンが変化する中で都市やまちを変えていかなければいけないことを強調したいと思います。(村山)

Q2. もう少し詳しく知りたいと思い「名古屋大学COI」のページも拝見しましたが、今回テーマの「地域づくり」が、プロジェクトなのか、何かのプロジェクトに関わる単発の(1回限りの)テーマだったのか、などよくわかりませんでした。貴学の中でこのような課題に近い研究をされている研究室やプロジェクトをご紹介していただくことは可能でしょうか。研究や行政等の現場での、人の状態(気持ちや体調)がわからないゆえの悩みなどをお聞きできたら、と思っております。

A2-1. 「地域づくり」は継続的に取り組む課題であり、一つのプロジェクトです。ただし、昨今は「プロジェクト」と書くと、外部資金を獲得している課題であったり、産官学連携の活動と思われがちですが、そもそも、大学での研究成果を活かして、それを広く社会に還元し、かつ、地域のみなさんと協働するのが「地域づくり」です。本学では、環境学研究科附属共発展教育研究センター(http://ercscd.env.nagoya-u.ac.jp/jpn/people/)が窓口になって「地域づくり」の相談を受けています。ただし、ご質問の「人の状態」について、専門に合致した教員はおりませんので、的確なお答えが出来るか否かは不明です。(西澤)

A2-2. 私は持続可能な地域づくりのキモや住民自治だと思います。住民自らが地域の課題を把握しその解決に取り組むということで、そこに行政や大学が支援するということと思います。住民自治へのエンパワーメントが大学に求められる役割だと思います。そのためには、地域住民との信頼関係の構築が大事で、それには時間も手間もかかります。(高野)

A2-3. 行政においては、福祉や教育やまちづくりなど、様々な分野において、市民意識調査やワークショップなどを通して、市民の皆さんのニーズやウォンツをつかみながら各種計画等を策定しています。ただ、日々変化し、多様化・複雑化する市民の皆さんそれぞれの思いや願いをすべてとらえ、十分に対応することはマンパワーや予算等の観点から難しいことが多いです。そのため、市民協働や共助の仕組みづくりをよりきめ細かく多様な人とともに創り、実施していくことが必要だと思っています。(杉本)

Q3. 気候変動リスクに対する都市づくりに特化していくという考え方は突飛でしょうか。

A3. 気候変動に対する緩和策と適応策を展開していくことは極めて重要ですが、気候変動以外のリスクもたくさんありますので、様々なリスクを総合的に捉え、それへの対応をしていく必要があると思います。「特化」するのは得策ではありません。日本の場合、地震・津波・噴火といった突発的ショックの方が大きく、これに対しては色々な対応がなされています。しかし、気候変動は進行性リスクだということもあってか対応が遅れていると思います。(村山)

Q4. ライブハウス、ライブバーの救済はできませんでしょうか。

A4. 連携可能です。しかし、ライブチャージ制度により連携のハードルは高い場合が多いです。(遠山)

Q5. Sonoligoの世界初の仕組みのところをもう少し伺いたいです。

A5. ダイナミックプライシングとサブスクリプションを掛け合わせた仕組みになります。裏側ではイベントごとに需給バランスにより価格が変動していますが、利用者には見えません。(遠山)

Q6. 他の市と情報共有・交換等されているのでしょうか

A6. 岐阜市の他、名古屋市、新城市、中津川市、豊田市等もプロジェクトに参画を頂いており、共同研究や情報共有を行っております。(事務局)

Q7. 社会課題の解決に技術がどう貢献するのでしょうか?

A7. 社会には様々な問題がありますが、新技術によって緩和できると考えております。特に、本拠点では、移動、健康、教育、仕事に関する問題を、市民の皆様と共有し、解決に必要な技術を明らかにすることで、産学が連携して技術開発を推進することで、個々の問題解決に繋げたいと思っております。(長谷川)

Q8. 外国人の方に日本の田舎に移住してもらうのもいいなと個人的には思っていますが、あまり重視されていないでしょうか。(当日の質問) 日本に来て移住してもらうとか、地域の中ですでにいる外国人との分断を作らないとか、色々な観点があるかと思いますが、研究の現場ではどんな感じなのだろうかと興味があります。(追加で頂いた質問)

A8-1. 実際外国人の方も来られています。ただ配偶者としてが多いですね。(ライブ回答)

A8-2.  例ですが、蒲郡市では外国人労働者とその家族が人口の5%くらいいます。外国人も市民だという位置付けで多文化共生に取り組む市民団体は活動していますが、なかなか進んでいません。コロナ禍で生活困窮の問題も深刻です。まずは課題を見える化することが大事と思います。(高野)

Q9. Panelistの方々へ:人生の貴重な時間を費やす場と実現したいlife Styleとの関係は次の分野に尽き,如何にその質と価値,Acceess性,安全を維持向上出来るかがKeyとなるのではないでしょうか。 分野:生活環境(住居,Community,自然,etc.),職場,教育,医療/健康,賑わい,防災,Universal Design,行政の生活支援 これらを如何に高次にBalanceを取るかが重要と考えますが,如何に御考えになりますか。(当日頂いた質問)

Future Life Styleの中で住みたい街づくりに必要なFactorは,質問に記載した評価指標Access性や安全性等に付け加えるべきは,多様性(Diversity)-調和と温厚さ(@Cmmunity),Living CostとIncomeとのBalance,憩いと安らぎがあるものと思います。

A9-1. ご指摘の通り、挙げていただいた分野に取り組む必要があります。人生の中ではたくさんの欲求の中から「選択する」あるいは「優先順位をつける」ことをします。選択の仕方や優先順位のつけ方は、各人や同じ人でもそのときの状況によって異なるので、あるライフスタイルとそれを支える環境を押し付けることはできません。人々の価値の多様性を尊重して、人々がそれぞれのライフスタイルを「ベストアレンジ」してデザインしていくこと(個人の課題)、それがストレスなく実現される社会環境をつくっていくこと(社会の課題)が重要だと思っています。(村山)

A9-2. ご指摘の点は、まさにそのように思っていますが、もう一つ、「地域性」という視点が加わるので、複雑です。そして、実際に多様な視点で「高次のBalanceを取る」方法は、現状では、経験知(経験値)に基いた方法以外には見当たりません。そもそも「一般解」が成立するか否か、甚だ疑問です。私も40年近く前、卒業論文を書いている頃は、一般解があると信じていましたが、その後の経験から、それが間違いだった、という結論に至りました。今は、特殊解の蓄積をめざしています。(西澤)

QA以上

参加者の皆様には、多数のご意見・ご質問を頂き誠に有難うございました。今後のフォーラム企画および拠点運営に役立てて参りたいと存じます。引続きご協力の程、宜しくお願い申し上げます。

社会課題共有フォーラム 事務局

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