脱炭素社会創造センター
脱炭素社会創造センターHPは下記URLに移転しました。
https://www.zcs.mirai.nagoya-u.ac.jp/
2022年4月、脱炭素社会創造センターが設立されました。
未来社会創造機構 脱炭素社会創造センター 設立趣意書
二酸化炭素の過剰な排出に伴う地球温暖化、気候変動は、近年急速にその深刻さが増しており、国際社会の最大課題の一つとなっています。脱炭素社会実現の必要性については、すでに、2015年の国連気候変動枠組条約締約国会議におけるパリ協定の採択以来、世界的な潮流となってきました。日本政府も2020 年10 月26 日、当時の菅義偉内閣総理大臣が所信表明演説にて「2050 年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050 年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。これを受けて、2020年12月には「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の策定と2兆円基金の設立があり、企業を中心とした取り組みが進められています。さらに、関連省庁での検討が進められ、環境省では、地球温暖化対策計画の見直し、地球温暖化対策推進法の改正、カーボンプライシングの検討などがなされ、内閣官房では、「国・地方脱炭素実現会議」が開催され、2021 年6 月9 日に「地域脱炭素ロードマップ」を発出しました。2021年7月29日には、文部科学省が環境省、経済産業省と連携し、全国の大学などに参加を呼び掛けて「カーボンニュートラルに貢献する大学等コアリション」が発足しました。 このような社会全体で取り組むべき課題に対して、特に大学に求められるのが分野を超えた「知の結集」であり、「総合知」の提供です。
名古屋大学では、そのような社会的要請に対し、異分野の研究者が協働で脱炭素社会の構築に取り組む組織として、未来社会創造機構のもとに脱炭素社会創造センターを設立しました。ここでは、地球温暖化の主因とされる二酸化炭素排出実質ゼロを目指したカーボンニュートラルの達成とその先にある化石資源に頼らない脱炭素社会の実現に向けて、二酸化炭素排出削減や吸収を促進するための要素技術の開発やシステムの構築に取り組む研究者、脱炭素社会の構築を支える政策、社会制度、経済、さらに歴史、文化、受容性を対象とした研究者、そして、森林や海洋、大気、気候や気象を研究対象とする研究者が協働し、一丸となって脱炭素社会の構築に取り組んでいきます。
脱炭素社会創造センターは、カーボンニュートラルの達成と脱炭素社会の構築をめざしていますが、それは通過点です。最終的に、気候変動・複合災害・人口減少に適応した自然-産業共生型持続可能社会の構築をめざしています。そのために、センター内での異分野融合だけでなく、名古屋大学や東海国立大学機構の枠組を越え、広く地域社会における産官学民と連携した活動を進めていきます。また、センターで培われた知識、技術、経験を二酸化炭素排出が増加しているアジア地域をはじめとして世界各地に展開することで、国際的な二酸化炭素の排出実質ゼロの促進に貢献していきます。