拠点長挨拶

高齢者が元気になるモビリティ社会を構築したい。

 超高齢化の進む日本において、名古屋大学COIは「人がつながる “移動”イノベーション拠点」として、すべての人が地域差・個人差なくいつまでも社会の現役として活躍できる社会の実現に向けて、高齢者が自らの意思でいつまでもどこまでも移動できる「高齢者が元気になるモビリティ社会」の構築をビジョンに掲げ、産学官民連携での革新的イノベーションを創出すべく研究開発を推進しています。

 

 名古屋大学COIは第二回中間評価(2017-2019年度)にて最高評価S+をいただきました。まずは、この産学官民連携プロジェクトにご参画、ご協力をいただいているすべての皆様に感謝申し上げます。

 

 COIは、10年後の目指すべき社会像を見据えたビジョン主導型の研究開発によりイノベーションを連続的に創出する拠点形成を目的としており、良い研究をして良い論文を書くにとどまらず、その成果を産官民と一緒に社会実装につなげて人・社会を変えることを、COIを良き練習の場として実践するプロジェクトです。そのため、2017年度から2019年度においては、ビジョンの実現に向け「社会実装」と「拠点形成」を2本柱として、常に本来の狙いを再認識しつつプロジェクトを推進してきました。

 社会実装については、企業主導での製品化・事業化や自治体主導での行政への反映が具体化されつつあります。目指す社会像を実証フィールドで実現すべく、地域や住民の皆様のご協力をいただき一緒に活動させていただいていることが強力な推進力となっています。

 拠点形成については、COIの採択を機に異分野連携、部局横断の組織として創設された未来社会創造機構の改組として大学主導で具体化しています。COIで培った産学官民連携ノウハウの活用、新たな学理の構築、人材育成の課題を基に強化を図っています。

 

 一方で、社会実装も拠点形成も簡単ではなく、道半ばです。様々なチャレンジはまだまだ続きます。実現に向けた課題の対応を気概をもってしっかりやりきっていきたいと思います。

 次の3年間では、まず、プロジェクトのゴールを設定していきます。「名古屋大学COIプロジェクトをやりきる」と「名古屋大学COIプロジェクトの成果(研究開発・しくみ)を次につなげる」の2つの観点で整理していきます。プロジェクトをやりきりビジョンを実現して、高齢者の方々に心から喜んでいただける、笑顔になっていただけることが一番大切なことです。また、プロジェクトの成果がCOI終了後の体制に引き継がれることにより、このプロジェクトの参画機関にとどまらず、もっと多くの企業・自治体・他大学が「名古屋大学でぜひ一緒にイノベーションを創出したい」と集まっていただける魅力あふれる研究拠点にしていきたいと思います。
 今後ともご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

トヨタ自動車株式会社
未来創生センター S-フロンティア部
担当部長
くろやなぎ しげる
畔柳 滋
2019年 6月
*役職は当時のものです

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