第2回中間評価で「S+」評価を獲得

2019/04/01


文部科学省と国立研究開発法人科学技術振興機構が主導する「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」の採択を受けた全国18研究拠点のうち、「人がつながる “移動”イノベーション拠点(名古屋大学COI)」は、フェーズ2終了時の昨年度に実施されたCOIビジョナリーチームによる中間評価の結果、最高評価である「S+」評価を受けました。

 

以下、畔柳滋・名古屋大学COIプロジェクトリーダーと松尾清一・名古屋大学総長からのコメントです。(クリックするとそれぞれのコメントに移動します)

 

畔柳滋 名古屋大学COIプロジェクトリーダーからのコメント

松尾清一 名古屋大学総長からのコメント

 


〔畔柳滋 名古屋大学COIプロジェクトリーダー〕

 

 名古屋大学COIは第二回中間評価(フェーズ2)にて最高評価S+をいただきました。まずは、この産学官民連携プロジェクトにご参画、ご協力をいただいているすべての皆様に感謝申し上げます。

 

 COIは、10年後の目指すべき社会像を見据えたビジョン主導型の研究開発によりイノベーションを連続的に創出する拠点形成を目的としており、良い研究をして良い論文を書くことにとどまらず、その成果を産官民と一緒に社会実装につなげて人・社会を変えることを、COIを良き練習の場として実践するプロジェクトです。そのため、フェーズ2では、我々のビジョンである「高齢者が元気になるモビリティ社会」の実現に向け「社会実装」と「拠点形成」を2本柱として、常に本来の狙いを再認識しつつプロジェクトを推進してきました。

 

 社会実装については、企業主導での製品化・事業化や自治体主導での行政への反映が具体化されつつあります。目指す社会像を実証フィールドで実現すべく、地域や住民の皆様のご協力をいただき一緒に活動させていただいていることが強力な推進力となっています。

 

 拠点形成については、COIの採択を機に異分野連携、部局横断の組織として創設された未来社会創造機構の改組として大学主導で具体化しています。COIで培った産学官連携ノウハウの活用、新たな学理の構築、人材育成の課題を基に強化を図っています。

 

 一方で、社会実装も拠点形成も簡単ではなく、道半ばです。様々なチャレンジはまだまだ続きます。これらに取り組む気概とやり遂げる見通しを加味していただいたうえでのS+評価と認識しています。既に挙げている今後の課題と対応をしっかりやりきっていくことを、今一度プロジェクトに参画しているメンバー全員で思いを1つにしていきたいと思います。

 

 最終3年間のフェーズ3では、まず、プロジェクトの「ゴール設定」を合議していきます。「名古屋大学COIプロジェクトをやりきる」と「名古屋大学COIプロジェクトの成果(研究開発・しくみ)を次につなげる」の2つの観点で整理して決めます。プロジェクトをやりきりビジョンを実現して、高齢者の方々に心から喜んでいただける、笑顔になっていただけることが一番大切なことです。また、プロジェクトの成果がCOI終了後の体制に引き継がれることにより、プロジェクト参画機関に留まらず、もっと多くの企業・自治体・他大学が「名古屋大学でぜひ一緒にイノベーションを創出したい」と集まっていただける魅力あふれる研究拠点にしていきたいと思います。

 今後ともご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

 

名古屋大学COI プロジェクトリーダー

トヨタ自動車株式会社 未来創生センター S-フロンティア部 担当部長

畔柳 滋

 


〔松尾清一 名古屋大学総長〕

 

 名古屋大学は2013年秋に、文部科学省・科学技術振興機構によるCenter of Innovation(COI)プログラムに採択され、学内に新たに未来社会創造機構を設置して本プログラムの遂行に全学体制で臨むと同時に、大型の産学官連携を支援するための制度やシステムづくりを進めてまいりました。COIプログラムは9年間にわたる長期プロジェクトですが、3年ごとにフェーズが設定されており、6年目となる今年度は「フェーズ2」が終了いたします。

 

 立ち上げ時の「フェーズ1」では、江崎 研司プロジェクトリーダーと小野木 克明研究リーダーの下、「高齢者が元気になるモビリティ社会の実現」をビジョンして掲げ、工学、情報学、環境学、医学の4研究科の協力と、企業、自治体などが連携して、研究の基礎が固められました。フェーズ2開始時の2016年からは、畔柳 滋プロジェクトリーダーおよび森川 高行研究リーダーの強力なリーダーシップの下、産学官がアンダーワンルーフで一致団結して極めて活発な活動を繰り広げ、名古屋大学COIがめざすビジョンの実現に向けた科学技術の社会実装を追求し、様々なチャレンジを行ってきました。

 

 今回、名古屋大学COIは、「フェーズ2」の評価にあたる第2回中間評価において最高評価の「S+」を獲得しました。このことは、本プログラムに真摯に取り組んできた学内外の多くの研究者や支援スタッフ、協力者の努力と成果が高く評価されたものと考え、名古屋大学として大いに誇りに思うところであります。これまで名古屋大学COIにかかわっていただきましたすべての皆様に心から感謝申し上げる次第です。

 

 最終段階である「フェーズ3」では、いよいよ研究の成果を実際の社会イノベーションにつなげ、明るい未来社会の創造を実現するためにより一層の努力が求められます。世界屈指の研究大学を目指すために、「イノベーション創出への貢献」と「社会的価値の創造」を戦略として打ち出している名古屋大学にとって、名古屋大学COIは欠くことのできない産学官連携による研究開発拠点であります。名古屋大学総長として、今後も名古屋大学COIの発展のためにその活動を支えてまいります。関係の皆様方におかれましても、一層のご指導、ご鞭撻、そしてご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

名古屋大学総長

松尾清一

 

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